2009年2月21日土曜日

NHK名曲探偵アマデウス:「展覧会の絵」……アマデウスお前もか!

NHK クラシックミステリー 名曲探偵アマデウス | 事件ファイル: "ムソルグスキー作曲「展覧会の絵」とは 19世紀後半、ロシアの風土に根ざした個性が際だった作曲家、ムソルグスキーの代表作。展覧会場を歩く人を表したプロムナードと、'絵'を表す表題のつけられた10曲からなる組曲で、曲によってテーマや風合いがそれぞれ違う。元々はピアノ曲だったこの曲を、後にフランスの作曲家ラヴェルが編曲したことで、世界的に知られることとなった。この多くの音楽家を引き付ける、ムソルグスキー「展覧会の絵」の魅力に名曲探偵が迫る!"

この番組はたいへん勉強になるのでほとんど見ている。でも、今晩のはとてもNHK的。「ニッポン伝統文化を見直そう!」という安易な結論。まあ、ご時世といえばそうなんだけれど、最近のテレビはこれが多いから、ちょっと怖い。

ムソルグスキーは同じロシア人作曲家のチャイコフスキーのような「西洋かぶれ」を嫌って、ロシア本来の文化を主張したのだそうだ。その「展覧会の絵」が当時のグローバリズムの担い手フランス人の編曲によって世界的に知られるようになった事実はさておき、おいら極東の辺境住民にとっては、どっちもどっち、あまり変わらないんだよな〜。

日本に於いては飛鳥時代の昔から、先進文化を取り入れようとする対外開放主義とそれに抵抗する攘夷的民族主義が戦いを繰り返し、交互に支配的となってきた。明治以降もワン・サイクルがあって、戦後また最初の50年は対外開放主義の時代。いまはその反動で攘夷的民族主義が力を盛り返してきているように見える。いやな感じである。

近頃の若い人達は、先人たちが如何に苦労してニッポンの伝統文化だとか言う農村ムラ社会文化の弊害を克服してきたか知っていない。すさまじくおどろおどろしたものだったのである。今は「無害」となったように見えても、本質はなにも変わっていないので、放っておけばゴキブリと同じように勢いを取り戻して繁殖する。昔の記憶がない若い人達には「伝統文化」は美しく見えるのだろうが、実際に経験したものにとってはまさに悪夢。NHKなどの「先祖帰り」風潮にナイーブに煽られていると、おいらはどうせ死ぬからどうでもいいけど、若い人達は今にひどい目に合うと思う。

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